リモート会議の特徴からリアル会議の効率化を考えてみる。
今さらながらだが、また、私だけかもしれないが、最近、ふと、リモート会議の方がリアルでの会議に比べてムダがなく効率的である点が多いことに気がついた。
コロナの影響でリモートワークが企業に半ば強制的に導入されて働き方も大いに変わりつつある中、そのような企業では会議や打ち合わせもWeb上で開催することが多くなっているかと思われる。
私もこの1年間、リモート会議に何回か参加してきたが、リアルでの会議に比べてなぜか会議に集中できて、ムダがなく効率的な点が多いように感じるのだ。
リモート会議は、例えば
・音声が聞き取りにくいことがある
・スムーズな接続ができないことがある
・相手の表情が見えないので込み入った話がしづらい
といった課題もまだまだ多いとは思うのだが、それでもそう感じるのはなぜなのだろう、と自分の経験から考えてみた。
私の中でそこから浮かんできたのは、リモート会議は、デメリットと思ってしまいがちなことでも「リアル会議でのムダなこと」を思い起こすと必ずしもデメリットとは言い切れず、むしろメリットと捉えられるような特徴を持っていると思われることである。
私がとりわけそう感じたのは次の3点。リモート会議の特徴と、リアル会議で改善すべき点(よくあると思われる点)を併せて記載してみた。
この3点は一言でまとめると「会議に対する緊張感の違い」だと私は思うのだが、このリモート会議の特徴は「リアル会議の効率化=改善すべき点」を考えるうえでも大事なことだと思うので挙げてみたい。
①緊張感
・リモート会議の特徴:状況が変わることによる緊張感がある
在宅での一人の仕事から、Web上とはいえ参加者が一堂に会する場所に状況がガラッと切り替わることによる緊張感がある。その緊張感は私たちが考えている以上に大きい。服装や、画面に映る自分の姿にも気を使うだろうし、そのことで却って自然と気持ちが引き締まる気がするのだ。一人の時の緩い空気を一気に変えることに繋がっていると思われる。
・リアル会議で改善すべきこと:気持ちの切り替え方を工夫する
職場内でのリアル会議の場合、自席から同じ社内の会議室に移動するだけで、重要でない打ち合わせの時などは気持ちの切り替えがないまま臨んでしまうこともあるかと思う。リアル会議の改善を図る場合、気持ちを切り替えられる工夫をするのも一案ではないだろうか。いつもと違う会議室にしてみるなど、小さいことでも何かあるはず。
②終了時間と集中力
・リモート会議の特徴:集中力が長続きしない
リアル会議でも開始・終了時間は設定するが、リモート会議だと不思議と終了時間を守りたい、守らなければ、という気持ちになることはないだろうか。
リモート会議は長く続くとリアル会議以上に集中力が持たない、というのが私の感じるところである。その理由は上記の緊張感の発生にも関係していると思うのだが、その経験から「長引かせず早く終わらせよう」という気持ちが無意識にでも働くのではないか。となると、それは考えようによってはメリットとも言えるのではないか、と、私はそんな気がしている。
・リアル会議で改善すべきこと:終了時間を厳守する
リアル会議の終了時間は、決めていても話が盛り上がるとつい延長してしまいがちである。そうなると集中力も途切れがちになるので「この時間で終了します」と最初に宣言してそれを必ず守る、といったひと工夫が必要ではないかと思う。
もちろんリモート会議でも当てはまることである。
③雑談
・リモート会議の特徴:不要な雑談がしづらい・できない
リモート会議では構造的に複数の人が同時に発言することが難しい。どうしても、発言する人:1人 対 聞く人:その他全員 という構図にならざるを得なくなる場合が非常に多いのではないか。しかし、それは言い換えれば「ムダ話ができない状況」になっているとも言える。1人対全員の構図になることはデメリットだと考えていたのだが、見方を変えるとそれは不要な雑談をしなくなり(できなくなり)、結果的に会議時間の短縮、効率化というメリットにもなっているのではないだろうか。
・リアル会議で改善すべきこと:ムダ話をしない
リアル会議の場合、顔を合わせていることからリモート会議よりは気軽に話ができるが、一方でいつしか話が本筋から脱線して、それがだらだら続いてしまいがちである。議題に沿った議論を行い、ムダ話をしないことは会議効率化の重要な点である。
…このほか、リモート会議では
・移動の必要が省ける
・どんなに離れていてもすぐに開催できる
・交通費等の経費削減
・資料をその場で画面共有できる
といったメリットが色々あるのだが、今回は少し見方を変えてリモート会議でデメリットと思われがちな特徴と、それをメリットと捉えてみることで見えてくる、リアル会議の改善すべき点を自分なりに考えてみた。あくまで自分なりに考えてみたことなので、また違うご意見もあるかと思っている。
最近、時間の効率的な使い方の大事さをよく感じる。会議の効率化は、時間の効率的な使い方に大いに貢献するはずである。
また、長所と短所は紙一重だと私は考えており以前に記事でも書いたのだが、リモート会議にもそれは当てはまるのかもしれない。