みんなで同じ経験を共有する ~オンライン飲み会を楽しむ方法~
同じ経験を共有することが、一体感や親密さを生むきっかけとなる。
そのことは以前、「子供と同じことをして遊ぶ」ことでパパと子供との一体感が生まれる、とこのブログでも書いた。
だが、それと同じことを今回、「オンライン飲み会」から感じる機会があった。
2度目の緊急事態宣言とその延長を受けて、私の住まいの周辺や職場からの帰り道でも飲食店は軒並み20時で閉店している。夜遅く職場を出る日など、帰路は飲食できる場所なしの状態が普通となりつつあるのだが、そんな中でオンライン飲み会に再び関心が集まっているようで、参加者をターゲットにしたおつまみのネット販売や宅配の業績が好調のようなのである。
試しに「オンライン飲み会 おつまみ 宅配」でGoogle検索してみると、確かに多くの企業がこのコロナ禍を商機と捉え、各社とも工夫した、おいしそうなおつまみの開発・販売を行っていることがよく分かる。
また、楽天で同じように「オンライン飲み会 おつまみ」と検索してみてもヒット数は優に1,000件を超える。
これらの動きはオンライン飲み会のためのおつまみの市場が確立されつつあることを示しており、コロナ前には想定し得なかった新しいトレンドではないかと思われる。
そして、上述のとおり会社によってはオンライン飲み会用のおつまみを参加者の自宅まで配達するサービスを行い、かつ、参加者に「同じメニューの」おつまみを届けており、参加者や幹事にも好評なようだ。
これは意外と気がつきそうで気が付かない盲点であった。
また、同時にこのことは人の心理をついた戦略だなと感じた。
…改めて思い返してみた。私もコロナ禍になって以降、何回かオンライン飲み会に参加したのだが、「同じ食事を食べられない」ことに対する違和感は、以前から感じていたことの一つであった。
PCの向こうにいる彼の食べているおつまみは、どんな味なんだろう。これは話題の一つにはなるが、おつまみによっては自分で同じものを買って食べない限り味まで分かることはないものが多い。オンラインで開催している以上それは当然のことなのだが、何か物足りない感じがしていた。
同じものをみんなで食べる、という共通の経験をすることは、気が付いていないだけでその場にいる人たちの一体感や親密度を無意識のうちに深めているのではないかと思うのだ。
例えばリアルの飲み会では、コースだと参加者全員に同じ料理が来て、それぞれお酒を飲みながらその同じ料理を食べていたはず。コースでない時も同じで、いくつかまとめて料理を頼んで、その場にいる参加者でシェアして食べ合うことが多かったはずである。
飲み会でわいわい盛り上がるのは、お酒が入って気分が解放されるからだけではなく、きっと、この同じ食べ物をみんなで食べている、イコール共通の経験をしている、という中で生まれる一体感も貢献しているのだろう。
同じ食べ物を食べることで共通の話題も生まれるし、自然と結束(親密さ)も固まっているのではないだろうか。
私などは、自分も参加しているくせにオンライン飲み会のデメリット(会話が1人対全員になってしまう、時間制限がない等々…)ばかりをつい考えてしまいがちだったのだが、このようにちょっと工夫するだけでもぐっと楽しい飲み会になることもあるのだと気づかされた。
ちなみに私がオンライン飲み会で食べたいのは、やはり王道のおつまみである焼き鳥と枝豆で、冷奴などあればなお良い。買えばいいじゃないか、という話なのだが、それ以前になんだかまだ、リアルの居酒屋気分が抜けていないようである。。。
でも今度、オンライン飲み会をやる時にでも提案してみようか。