人との比較をやめるためのヒント。
SNSやYoutubeなどの様々なツールで、誰でも自分の情報を発信できるようになって随分経つ。
そこでは、それぞれがそれぞれなりの人生での経験やノウハウを書き綴ったり紹介したりしている。
どんな人たちか?とプロフィールを見ると、例えば、
「海外30ヵ国制覇!コロナ前は毎年海外に旅行してきました。」
「20代で独立して起業。講演会やセミナーの講師で全国を飛び回ってます。」
「アウトドア派で登山、キャンプ、バイクと、やりたいと思ったことはなんでもやってきました。」
などと、一人一人がいろいろな人生経験を非常に積極的に楽しんでいるように見える。
共通しているのは「一度きりの人生を精一杯楽しむ、精一杯生きる」という考え方であると思っており、とても素晴らしいことである。素直に、というか本気ですごいと思う。
その他にも、「これだ」ということを決めて1つのことに打ち込んでその道を極めている人達はたくさんいるし、街行く人々を見ているとみんなおしゃれで輝いているようにも見える。男女問わずだが、髪型は上手にセットしているし、服装も季節に合わせて上手に着こなしていたりする。
そして、そのようなことを見て、知ってしまうと一方でどうしても出てきてしまうのが「自分との比較」。
それもネガティブな比較で「みんな充実してるなあ。それに比べて自分は何もない…」などという、羨みや嫉妬の感情が出てきてしまうことがある。
なんであんなに上手なんだろう。
なんであんなにいろんなこと経験しているんだろう。
それに比べてなんで自分は…。
と考え出してしまうときりがなくなり、また、考えれば考えるほど自分と比較して落ち込んでしまう。
私もそうで、比較を始めてしまうと人のことが気になってしょうがなくなり、それでますます人と比較して落ち込む、といった悪循環を経験してきたし、今でもそのようになってしまうことがある。
だが、人と自分を比較ばかりして落ち込んでも、良いことは一つもない。
経験上、本当に一つもない。
暗い気持ちになるし、自信もなくなるし、自分が惨めになるし、また、そのことで、普段経験しているはずの楽しいこと、嬉しいことに気がつかなくなってしまう可能性もある。
上で書いた、人生経験を積極的にしている人達の例でも、おしゃれをしている人達の例でも言えることなのだが、その裏には相当な情報収集や行動・研究・努力を重ねていることが実は隠れているはずなのだ。
その辺りのことが、自分と比較すると見えなくなってしまうことが往々にしてあり得る。「自分はダメ」という視点でしか考えられなくなるから、見えなくなってしまうとも言える。
…しかし、そうとは分かっていても、心情的にどうしても人と比較してしまうのは、やはり人間は「感情」を持つものであり、その感情には向上心や嫉妬心なども含まれること、また、人間は常に人と人との関わり合いの中で生きる社会的動物であるから、ということなのであろう。
では、なんとかしてこの「人との比較」をやめられるように、考え方や行動を少しでも変えることは出来ないものなのか。
そう思っていろいろ考えてきた中で、私が気がついて実行している、人との比較をやめるための方法は2つ。
暇な状況を作らないこと。
とかく暇になると余計なことを考えがちである。
自分のやりたいことを見つけてそれに集中すること=余計なことを考えない状況を作ることが大事である。
そのためには「趣味を持つ」ことでも良いのだが、本を読むとか掃除をする、料理をするといったような、日々行っていることをすることでも良い。また、その分、空いた時間にいつも見ていたSNSを見ないようにする、といったような「決断」をすることも有効であろう。
自分の中の「好きなこと」「楽しいこと」の基準を考えてみること。
自分が何に価値を置いているのか、何をしていると楽しいのか、嬉しいのか、ということが自分で分かっていない。だから好きなこと、楽しいことの基準を他人の中に見つけざるを得なくなる。
そうなると自然と人の優れているところが目に入り、比較してしまう状態に陥る可能性が高くなる。
そうではなくて、自分がしていて好きなこと、楽しいことが何なのかを考えてみて、それができれば良し!という感じで考え方も変えていくことが、良い方法ではないかと思うところである。
「暇な状況を作らないこと」とも重複する点があるが、良い意味で、自分のことを中心に考えてみることである。
また、人との比較をやめるための方法としてもう1つ。
私が以前読んで「これはいい!」と心底思った考え方なのだが、心理カウンセラーの石原加受子さんが「もっとシンプルに、楽に生きることをはじめよう!」という著書の中でとても良いことを書かれていた。
人と比較してしまうこととその具体例に触れたうえで、次のように書かれている。
比較することが全部悪いわけではない。
状況を具体的かつ正確に把握するには、比較することも重要な方法だ。
しかし、その比較に、「価値」をくっつけることはない。
「あの人は、ファッションセンスに優れている」
「あの人は、数字に強い」
「あの人は、記憶力が抜群だ」
もちろんそれはすばらしい。けれども、それ以上のものではない。
それで「終わり」である。
そこで終われば、「でも私は」などという言葉は生まれない。
これだけで、あなたは、人と比較してしまう自分から自由になれる。
「あの人は、こんな能力がある」で”終わり”。
訓練すれば、できるはずである。
(出典:石原 加受子著「もっとシンプルに、楽に生きることをはじめよう!」(三笠書房)より引用)
※一部太字にしたのも著書原文のママです。
実にシンプルかつ具体的な「人との比較をやめる方法」であり、ご紹介したく引用させていただいた。
「あの人は、すごい。終わり。」「あの人は、すごい。以上。」
そこで強制的に終わらせてしまうということに「なるほど!」と思ったものであった。
「人は人、自分は自分」
よく聞く言葉であるが、ここまで見てくると人との比較(ネガティブな比較)をやめるには、やはりこの「人は人、自分は自分」という考え方にいかに持っていくことが出来るか、が重要になってくる。
よく聞く言葉で頭では分かっていても、なかなか実行するのが難しいことでもある。
今回はそのためのヒントとして、私が気が付いたこと、また、著書からの引用になるが私が「これはいい!」と思ったことを書かさせていただきました。
ご参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。