特別なことがない一日も素晴らしい一日。
今朝、通勤電車の中で日経新聞を読んでいるとある広告が目に留まった。
株式会社松栄堂(香老舗 松栄堂)という企業の広告。
「香・大賞」(かおり・たいしょう)と題して、香りをテーマにしたエッセイを募集しているようで、今回、金賞を受賞した作品が掲載されている。
調べてみると、同社はお線香など香りに関連した商品を取り扱う京都の老舗企業で、この香りをテーマにしたエッセイの募集も今回で36回目。
私はこのエッセイの存在を初めて知ったのだが、香りをテーマにしたエッセイの募集というのは珍しいなと感じ、この広告に目をひきつけられた。
広告には、秋重南海男さんという福岡県の77歳の男性の方が書かれた、上述のとおり今回、金賞を受賞した作品が掲載されていた。
私と状況は違うものの、いろいろ考えさせられ、また、気づかされた素晴らしいエッセイであった。
まずはこちらから、ぜひご覧ください。
【第36回「香・大賞」金賞『柚子風呂』】
この作品を読んで気づかされた。
特別なことをしない、当たり前に過ごしている一日もまた、素晴らしい一日であること。
この『柚子風呂』のエッセイからは、秋重さんが家事に追われながらも当たり前の毎日を当たり前に過ごし、その中にもささやかな喜び、楽しみを見つけようとされている情景が目に浮かぶ。
人それぞれで受け取り方に違いはあるだろう。
だが、私はこのエッセイから、
特別なことを何もしていなくても、自慢できることを何もしていなくても、自分が良いと思えればそれで良いではないか。
という、秋重さんの言葉をお借りすると、当たり前の毎日を当たり前に、心穏やかに過ごすことに対する誇りを感じたのだ。
また、日々の生活の中にいろいろと工夫も取り入れている。
食事の献立、洗濯、柚子風呂など…。
当たり前の一日を過ごす中でささやかな喜び、楽しみを見つけて味わうこともまた、人生の醍醐味の一つであること。
そんな思いも、私はこのエッセイが伝えてくれているような気がした。
柚子風呂に入るくだりは、その情景が伝わってきてなんだか自分も今、柚子風呂に入っているような気持ちにさせられる。
読んでいて、いろいろ気づかされ考えさせられたが、一方で心が洗われたような気持ちになった。
「チャレンジすること、行動することで毎日が充実する」と良く言われる。
それはその通りなのだが、当たり前に過ごした一日もまた、素晴らしい一日と言えるのではないだろうか。
特別なことをしなくても、家事をしたり、仕事をしたり、育児をしたり…。
当たり前に思える一日でも、考えてみればその一日を過ごす中で私達は結構いろいろなこと、経験をしている。
当たり前のことほど、当たり前であるがゆえに見逃してしまいがちなのではないだろうか。そう考えさせられた。
ここは私なりの感想だが、そのうえでたまに、先日書いた「ちょっとだけランク高いこと」も経験してみると、よりその経験も新鮮に感じられて、より充実感も高まるのではないだろうか、とも感じる。
今日は久しぶりの出勤日だったが、このエッセイを読めたこと、この広告でエッセイの存在を知れたおかげで、朝から気分良く過ごすことができた。
なお、この作品集、興味が湧いたので時間があいたときにいくつかホームページから読んだのだが心が温まるエッセイが勢揃い。
また、エッセイは、申し込みをすればプレゼントとしてお送りしていただけるらしい。
ぜひこちらからご覧ください。
【第36回「香・大賞」入賞作品】
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。