日々思うこと

日常生活の中で思ったこと、感じたことや体験したことを気軽に書いていきます。

山梨県のコロナ感染症対策に感心した話。

f:id:T-H79:20210216194635j:plain

東京・京都・沖縄の3都府県に、4月12日から「まん延防止等重点措置」が適用されることが正式に決まった。

知事の権限で適用地区を決めることができて、東京の適用地区は23区と八王子市ほか一部の市になるが、いずれにしてもまた3月までの緊急事態宣言の時のような状態に戻ることになりそうである。

 

大阪では変異株の影響からか、日々800人~900人の感染者が出ている状況。

東京も今日は537人。止む気配がないどころか、ちらほら報道され始めている通り「第4波」が来てしまっている、と言ってもおかしくない事態である。

 

…そのような中で、注目を浴びている感染対策がある。

山梨県の、いわゆる「山梨モデル」とも呼ばれる取り組み。

 

山梨県が掲げる「やまなしグリーン・ゾーン認証制度」の一環で、認証を希望する指定業種(業態)への感染対策を厳しくチェックしたうえで、県が「やまなしグリーン・ゾーン認証施設」として認証を与える取り組みを行っている。

 

greenzone-ninsho.jp

 

昨年公表された「やまなしグリーン・ゾーン構想」で創設された認証制度で、この基本的な考え方としてHPでは、感染症に強い事業環境づくりを強力に後押しし、山梨県全体で安心・信頼を提供」することをテーマとした利用者の安心・信頼を獲得するための「認証制度」を創設することで、山梨県全体が県内外の消費者の「安心・信頼」という価値を獲得し、県内経済の再生につなげることを目的としている、と記している。

 

コロナに真正面から立ち向かっていこうという、山梨県としての強い意志を感じる。

 

対象となる業態は宿泊業、飲食業、ワイナリー、酒蔵の4つ。認証を受けようとする申請者は、業態ごとに設けられた50~60ほどの項目(認証基準)をクリアして初めて認証を受けられる。

 

この認証基準をご覧いただきたい。実に具体的で、徹底されている。

 

greenzone-ninsho.jp

 

この基準を満たしているかどうかをチェックするため、県による現場確認を行い、基準を満たしているかどうか確認をするというのだから、事業者としても真剣に感染対策を徹底していく必要が生じる。

 

これまでの認証件数は4,449件。うち飲食店は3,391件(4月2日時点)。

 

さらに、4月からは認証を受けた施設に対して、県の調査員による抜き打ち検査を行うことになったとのこと。予告なしに、認証後もきちんと基準が守られているかをチェックするために訪問するという。

 

これでもかというくらいの徹底ぶりに、私は感心してしまった。

 

認証基準が厳しいことに加えて、やはり県という公的な機関が認証をする、ということの意味は信頼感を得られる、などの面から見ても大きいと思われる。ここまで徹底した検証を県として行っているのであれば、なおさらである。

  

山梨県のここ最近の感染者数は10名前後。首都圏に隣接する県としては少ないと言えるのではないだろうか。それは、このような真剣な取り組みを山梨県が行ってきたことの成果にほかならないだろう。

 

そして、このような中、JR東日本八王子支社、JR東京西駅ビル開発が共同で、4月7日からJR甲府駅の改札口前に「カフェ&ワインバー葡萄酒一番館」という飲食店をオープンした。

 

www.nikkei.com

 

ワイン県やまなし」の出迎え施設として、山梨県産のワインを気軽に楽しめるほか、山梨県の情報発信拠点としての事業も行っているようだ。

 

このコロナ禍の中で、あえて「出迎え施設」として飲食店をオープンさせる。このことに山梨県の感染対策に対する自信を感じたのは、私だけだろうか。

 

山梨県感染症への取り組みは以前から気になっており、もっと広く周知するべきではないかと感じていたのだが、山梨県の長崎知事は「全国にこの取り組みを広めたい」と話されていて、実際に千葉県など複数の県が「参考にして実施したい」との意向を出しているようだ。また、山梨県へは20近い都道府県からこの取り組みに関する問い合わせが相次いだとのこと。

 

世の中がコロナ禍に巻き込まれて、もう1年以上が経過しようとしている。

自粛疲れもまん延してきている中、今、求められているのは、少しでも一人一人が楽しく毎日を過ごせるよう、

 

適切な感染症対策をとりながら、コロナ前の生活にどこまで戻していけるか、近づけていけるか?

 

を、考えて実行していくことなのではないか、と最近、特に感じる。

 

山梨県の取り組みは、そのことを身をもって教えてくれているのではないかと私は思うのだ。