忘れてはいけないこと。
昨日で東日本大震災から10年が経過した。
改めて、東日本大震災でお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表したい。
私たちが忘れてはいけないことが2つあると思っている。
被災地の復興は10年を経て、道半ばではあっても着実に進んできていると思われる。だが、復興庁の調査では令和3年2月8日時点での避難者数は41,241人。避難先は、47の各都道府県に及んでいる。
今なお避難者が4万人を超えているという事実、今なお故郷に戻れない方々が大勢いらっしゃるという事実は、決して忘れてはいけないことであろう。
復興に関しては、NHKの世論調査で全体の3割近くが津波による被災地の復興が進んでいないと回答しており、原発事故の除染が進んでいないと回答した人も6割を超えているようだ。
印象的だったのは、この中で震災における「国の復興対応の課題」について複数回答で訪ねた結果、「原発事故への対応」「住宅再建支援」「被災地の産業支援」と続く中で「心のケアへの支援」が51%にのぼっていたことである。
今なお心のケアが必要な方々が大勢いらっしゃるという事実も、決して忘れてはいけないことであろう。
震災や津波、関連死などでご家族・ご親族を亡くされた方もいらっしゃるだろう。たとえそうでなかったとしても、被災された方々の心の傷は、簡単に消えるものではない。この調査結果は、その事実を示しているように思われた。
あの震災で、家族にも親族にも、自分自身にも被害のなかった私には、もしかしたら「心のケア」などと簡単に言える資格さえないのかもしれないが、10年を経てもこの2つの事実は、被災された方々のことを思うとき、私たちが決して忘れてはいけないことであると思うのだ。
被災地の一日も早い復興を、心よりお祈り申し上げたい。